社会で活躍するクセジュの卒業生 -7-

第7回

鳥羽 優子さん (声優・ナレーター)

1.まずは自己紹介をお願いします。

現在、声優・ナレーターとしてお仕事をしています。まだ第一線での活躍、とは至りませんが、アニメ、吹き替え、ゲーム、ナレーション等、様々なお仕事をさせていただいております。小学生の頃からやりたいと思っていた仕事が出来ていることは、とても幸せです。悩んだり苦しんだり、決して楽なお仕事ではありません。それでも約10年。この仕事から離れられないのは、声優という仕事がとても好きで、もっと多くの人にこの仕事に就いた自分を認めてもらいたいという目標があるからなのかな、と思っています。

好きな科目は国語と日本史です。国語は特に古典が好きで、「漢文を読むとテンションが上がるんだよね!」と話して、周りを引かせてしまうことも。もっと古典好きな人が増えてほしいな…、と密かに思っています。歴女まではいかないのですが、歴史的建造物、お城、神社仏閣について調べたり、現地を訪ねて歩いたりすることも好きです。

あと、宇宙。宇宙はロマンがいっぱいですよね。ブラックホールの撮影に成功し話題になりましたが、専門家が未知の世界を紐解いていく様子を知れるのは、本当に面白いです。太古の地球についての研究にも、とても興味を惹かれます。先日、ホラアナライオンの赤ちゃんの冷凍ミイラが発見されニュースになりました。私たち人類が誕生する遙か昔の地球で、どんな生き物が生活し、どんな世界が広がっていたのかも、これからますます研究されていくはず。そういう未知のロマンに目がない人間です。

 

2.クセジュの生徒時代、講師時代の思い出を語ってください。

生徒時代:小学5年~中学3年まで在籍していました。学校や部活、他の習い事との両立がとにかく大変で、何度か辞めたこともあったのですが、結局戻ってきてしまう…そんな場所でした。高校受験の時、それぞれの教科担任の先生が一筆ずつ記してくれた応援メッセージの紙をもらうのですが、第一志望に落ちてしまい、せっかくの応援に応えることが出来ず、とても悔しかった記憶があります。直前に受ける高校を変えていたので、自業自得ともいえる結果ではあったのですが…ひどく落ち込みました。後日、公立高校の受験の時にもう1枚メッセージをもらったのですが、その時に先生方がそれぞれ「鳥羽なら大丈夫だよ」と背中を押す言葉をくださったので、気持ちを切り替えて受験に挑むことが出来ました。クセジュを卒業して18年経ちますが、まだ2枚とも手元あります。今も特別なお守りになっています。

講師時代:生徒たちの好奇心を刺激してあげたい、という気持ちが一番強かったように思います。それは何より生徒時代、先生たちに私自身がたくさんの刺激をもらっていたからです。小学4年生~中学3年生まで担当させていただきましたが、小学生は本当に可愛くて、中学生は本当に手強かったです。生徒時代、私が一番苦しんだ漢字テストについては、どの学年に対してもとても厳しく指導していました。怒鳴り声が他の教室にまで聞こえてきたよー、なんて他の先生から言われたことも…。そういう意味では決して優しい先生ではなかったかもしれませんが、「先生!満点だった!」と嬉しそうに教えてくれる生徒の笑顔が大好きでした。

 

3.クセジュで学習したこと、経験したことが社会に出てどう役に立っているのかについてお話しください。

現在のお仕事は声優・ナレーターですが、中学校の国語科を教える教員免許を持っています。私が憧れている声優さんが看護師の資格を持っていたので、私も何か資格が欲しい、と思い、手を伸ばしたのが教員免許だったのです。

教育に興味を持ったきっかけの一つが、クセジュでした。人を育てるというのは、とても難しいことです。人の人生に干渉することですから、責任も大きく、生半可な気持ちでは向き合えない仕事です。私にとっては常にそうしたプレッシャーを感じる場所でした。

その想いは今も変わらず、人を教える立場にある時は、相手の可能性を広げることはあっても、狭めてはいけないという思いで接します。教わる立場にある時は、相手から吸収できるものを一つでも多く見つけることに貪欲であろうとし、その時間の価値をより高めていこうと努力しています。

「受け身にならない姿勢」を、クセジュでは多く学びました。生徒時代、どの教科のどの先生であっても、受け身でいられないくらい楽しい時間でしたし、講師時代はクラスのすべての生徒たちが興味を持って、主体になって、知識を吸収していけるように試行錯誤しました。楽しい、好き、と思えることをたくさん見つけて、型にはまらない、自分だけの人生をカスタマイズしていくには、その能動的な学習姿勢というのはとても大切なこと。そういう姿勢を学べたことは、とても貴重な時間だったと思うのです。

 

 

4.クセジュ生、さらには未来のクセジュ生に対するメッセージをお願いします。

役に立たない勉強、というものはありません。どんなことも必ずどこかで役立ちます。役立つということは、私たちを助けてくれるということなのです。

とはいえ、「勉強って、何の意味があるの?」と一度は誰もが思うことですよね。私も、理科や英語が苦手で、問題が解けない時にはよく思いました。元素記号、植物の断面図、日常使わない英文法…など、覚えたくない!勉強したくない!と、皆さんよりも、もしかしたら勉強嫌いだったかもしれません。

でも、声優になってみて、そういう知識ほどあって良かったと思うのです。アフレコ台本には、中学で身に付けるレベルの知識は当たり前のように載っていますし、ナレーションの台本も、時にはその場で渡されてスラスラ読んでいかなくてはいけません。この単語が分からない、この言葉の意味が分からない、というのはとても恥ずかしいことなのです。

一緒にお仕事をする先輩たちも本当に博学多識で、勉強熱心な方々ばかりです。そんな先輩たちと同等にお話をするためは、やっぱり、勉強の経験がとても役立つのです。

『将来の自分を助けるため』に、ちょっとだけ今の勉強を頑張ってみませんか?今苦しんで頑張って勉強すると、きっと将来の自分はとても感謝してくれるはずです。そして、将来の夢がまだない人ほど、たくさん勉強をしておいて欲しい…絶対に将来、役立ちます。

分からない時やつまずいた時は、先生たちをガンガン頼っちゃいましょう。困った時に手を差し伸べてくれる場所、学ぶ楽しさを教えてくれる場所、それがクセジュです。

クセジュ生でいる時間は、人生の中でほんの一瞬。だからこそ、とことん楽しんで、苦しんで、成長して、自分の足で目指す未来へと踏み出していってください。頼もしい後輩たちを、心から応援しています。

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の幻の第三稿を題材にした、朗読CDが漫画家麻宮騎亜先生の監修で販売されています。

https://www.asmart.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&cat=600625200&swrd=&pid=10020664&vid=

「銀河鉄道の夜」の表情が描かれているので、個人的に面白いなと、思っております。


 また、令和元年8月4日(日)調布グリーン小ホールにて、朗読劇「はだしのゲン」に出演させていただきます。
昨今の学校では、問題作として図書室から撤去されてしまうことが多いそうですが、戦争の記憶として残しておく特別な作品だなと思うのです。
また今回の朗読劇は原作者のご家族からの許可を得て実現します。
夏は多くの戦争関連作品が上演される時期ですが、その中でも、親子で改めて向き合える一作ですので、調布という場所ではございますがぜひお越しいただければ幸いです。

公式HP http://www.jat.or.jp/genreiwagannen

予約サイト https://ticket.corich.jp/apply/101046/006/