一人旅のススメ

クセジュの日常

(最終更新日

 国語担当の藤田です。結婚前の私の唯一の趣味は「海外一人旅」でした。これまでタイ、韓国、ドバイ、イギリス、ベトナムに行ったことがあります。もちろん地域も国も、行っている人から比べればとても少ないですが、初めてタイの空港に降り立ったときのどきどきは今でも忘れません。周りに一人旅を趣味とする友人が何人かいたので、その友人たちの話を聞き憧れはあったものの、「やっぱりご飯とかみんなと食べたいし」とか、「何かを見て感動を共有したいし」とか、何かしらの言い訳をそれまでは自分自身にしていました。しかし、自由に自分の時間を使えるのも今のうちということで、27歳のときに初めて一人で行くタイへの航空券を予約することになりました。

 

 恥ずかしながら私は英語がほとんど話せません。よって現地でたくさんの友人を作って、その後もSNS上で連絡を取り合ってといった楽しみ方は残念ながら出来ていません。また、ツアーに参加することもしません。日本の旅行会社のツアーデスクを利用してコーディネーターが決められたところへ日本人を連れていってくれるというのは「一人旅にはならない」という自分ルールを設けて申し込まないことにしています。友達がいるとしたらそれは「地球の歩き方」のみ。騙されてはいけない、盗まれてはいけない、間違えて変な所へ行ったら戻って来られない、そんなプレッシャーの中、「地球の歩き方」だけはいつでも私の味方をしてくれました。日本に帰ってきたときには表紙は折れめくれ上がり、冊子は湾曲していて、それを見ただけでも旅の中で、開いてはしまい、しまっては開くの繰り返しが行われたことを感じさせてくれます。

 人との触れ合いが多くあるわけではない中、何が楽しくて一人旅をしていたの?

 という質問を受けることがあります。その理由は一人旅をすることで自分自身に与えられる2つのご褒美を感じられるからでした。

 1つ目は達成感。頼れるべき友人も語学力もない中、目的地を決め、できる限りタクシーを使わず(自分ルール・トゥクトゥクは可)電車・バス・徒歩により、遠く異国の地を回り(めちゃめちゃ予定詰め込みます)、日本へ帰ってくる。帰ってきて思う事それは「生きて帰ってきました!」(誰に言うわけではありません)。特に帰りの飛行機では滞在中に撮った写真を振り返りながら一人にこやかにうなずきながら達成感に浸ります。

 2つ目は体感です。海外で撮ってきた写真を日本に帰ってから知人に見せることがあります。その写真はその国へ行けば誰でも行くいわゆる観光名所の写真が多いです。「意外としょぼいんだね」とか「ネットのを見る方がわかりやすい」とか言われることがあります。これに関しては本当にその通りです。わざわざ行って撮ったものはガイドブックにも載っています(カメラマンによりアングルや光まで計算されて)。さらに最近はグーグルアースなるものがあるので定点だけでなく、街中を歩くイメージまで持つことができます。いわゆる「視覚の海外旅行」はどこにいてもできるという世の中になりました。ただ、そこから聴覚・嗅覚・触覚は伝わってきません(今後はそれも可能になるかもしれませんが)。特に聴覚・嗅覚については実際現地に行っていると、その写真を見ただけで感覚が呼び起こされることがあります。わざわざ行って誰もが撮るような写真を撮る行為は、一見意味の無い行為であったり、とりあえずの行為だったりと捉える人もいるかもしれませんが、写ったものそのものには大して意味はなく、そこで実際に体感した五感を使った感覚を留めるために行っているのかもしれません。

 やらなければわからないこと、やってみて実感することは多くあると思います。臨場感のある体感を通して、自分の世界というものは広がっていき、さらには自分の可能性が広がっていくような気がします。   (藤田 学)