2019年クセジュ新中1の迎え方「安易な先取りより大切なモノ」

対談シリーズ

 ~2019年クセジュ新中1の迎え方~「安易な先取りより大切なモノ」

 冬期講習を皮切りに小学校6年生の新中1準備講座がいよいよスタートします。毎年クセジュでは新中1を迎えるにあたって様々な取り組みを行っていますが、今年はどのような目玉があるのか、そもそもクセジュの授業はどういうものなのかがわかるように鈴木(クセジュ代表)、佐々木(新松戸教室長及び新中1準備講座責任者)、そして宮崎(柏教室長及び文系科目責任者)の三人で熱く語っていきます。

“先々を見据えた盤石なカリキュラム”で学ぶ期待感を上げる

鈴木:皆さん宜しくお願いします。いよいよ新中1準備講座が冬期講習からスタートしますね。毎年この時期が近づいてくると斬新な企画に私自身胸を躍らせてしまいます。

佐々木:そうですか。準備責任者としてそれはとてもうれしい限りです。ここ数年新中1の準備に関してクセジュらしさをいかにして出すかに焦点を絞り、冬期講習、1月、2月そして新中1を迎える3月の学ぶ内容を考えています。

宮崎:一番重要なのは単なる先取りでアドバンテージをとるというやり方ではなく「学ぶことに対する期待感を持たせること」ですよね。

鈴木:この「期待感」というのは本当に重要なので、詳しく掘り下げていきたいのですが。

宮崎:中学生になると勉強が嫌いになる生徒が増えてきます。学習内容が難しくなる、覚えることがたくさん増えてくるといった具合に少しでも乗り遅れてしまうとリズムが狂い始め、それが成績に反映されるとだんだん嫌いになっていきます。

佐々木:「勉強すること=覚えること」という意識が根付いてしまうのも実は中1の間が圧倒的に多いですね。

鈴木:確かに中2や中3から入塾する生徒の大半は覚えることに辟易としている生徒が多いですね。例えば社会が嫌いな生徒に「なぜ嫌いなの?」と尋ねると「だって覚えられないんだもん」という答えが必ず返ってきます。

宮崎:社会はそもそも覚える教科ではありません。理解する教科なのです。例えば、明治維新はなぜ起こったのか、そこでは幕府側と討幕側のそれぞれの考えを知る必要があります。当時の人々が日本の政治の在り方や時代の波に乗り遅れている日本の将来に危機感を抱き、様々な運動をしていく流れの中で最終的に起こった革命、これこそが明治維新なのです。

鈴木:坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟など多くの日本人が知っている歴史上の人物が最もたくさん登場する時代ですよね。確かに彼らがどんな人物で、何の目的で、どんなことをやったのかについて深く理解することで歴史の立体的なつながり、いわゆる“ダイナミズム”というものが見えてきます。私自身“ダイナミズム”を追求していく過程で社会がだんだん好きになりました。

宮崎:“ダイナミズム”を味わってもらうことはクセジュの授業の一番のこだわりです。そこを理解していくと自然と出来事や人物が頭に入ってきます。その状態でテストの準備をすれば「社会は覚えるのが大変だから嫌い」と思う生徒は限りなく少なくなっていくでしょう。

「み はじ」の弊害

佐々木:同じようなことは数学でもいえますよ。学年が上がるにつれて数学が嫌いになっていく生徒は増えてきます。その理由は単純に難しくなるからですね。

鈴木:「基本は出来るんだけどいわゆる応用問題になると苦手です」という声はよく聞きますよね。基本問題と応用問題って何が違うの?と逆質問すると「うーん、難しい問題かな。入試問題みたいな。あと文章題全部!」なんて発言もよく聞きます()

佐々木:計算はできるけど文章題が苦手ですという発言はクセジュの生徒からも耳にしますね。基本と応用の違いはあえて言うなら、基本が問題を解くための「基礎的な知識」、応用が「知識の使い方」で、特に知識を組み合わせて使う場合がいわゆる‘難しい’ということになるんじゃないでしょうか。

鈴木:私も数学を教える機会がたくさんありますが、応用問題が解けない生徒は基本がわかっているようで実はわかっていないと感じます。ただ公式や定理を覚えているだけで終わっている場合がまさにそうです。

宮崎:私は数学はあまり好きではなかったのですが、先生にこの公式は絶対に覚えてと言われてしぶしぶ覚えた記憶があります。特に小学生の時は速さの問題が嫌いで「み・は・じ」の図に当てはめて解いていました()

佐々木:実は速さの問題は割り算の本質が理解できていれば公式を覚える必要もないしそれこそ「み・は・じ」に頼ることも必要なくなります。割り算の本質、特に“割る数”が何を意味しているかを深く理解することで、場合によっては数学だけでなく理科の計算問題も公式を覚える必要がなくなります。

鈴木:なるほど。先ほどお話しした社会と同じ理屈ですね。

佐々木:まさにその通りで数学の定理や公式にも実は壮大な物語が隠れているのです。例えば三平方の定理はピタゴラスの定理ともいわれます。ピタゴラスがという数学者が作った定理ですね。テレビでも“ピタゴラスイッチ”という言葉があるくらい有名な人物です。しかしながら彼が生きた時代は数学と宗教の結びつきが強く、汗だけでなく時には血が流れることすらあったのです。多くの人たちの苦労の結果、公式や定理が生まれたという背景をもっと知ってほしいですね。

鈴木:公式や定理の出来上がった結果すなわち“上澄みの部分”だけを覚えさせられ、さらにその使い方を演習を通して身につけていく。そして何の疑問も持たずに問題を解く。

宮崎:問題が解けると面白いけど解けないと途端につまらない、避けて通りたくなる教科。それがいわゆる多くの日本人が考える数学ですね。

佐々木:まさにその通りです。しかしながら公式が誕生する背景や物語を深く理解するとそこにロマンを感じることもあります。フェルマーの定理などは証明されるまでに何百年の歳月を要しました。解けなければつまらないという考えではいまだに証明されていないでしょう。なぜこういう式になるのか、この式は何を意味しているのかを深く理解するところにもっとエネルギーを注いでもらいたいですね。

宮崎:このように学ぶ対象自体に背景やストーリーがあり、それらを紐解いていく中でロマンを感じる場面も出てくる。単にどれだけ覚えたかを競い合うのではなく、このような学びの本質に触れる機会を中学入学前にたくさん作ってあげることで「中学生になって学ぶことに対する期待感」が持てるようになるのです。

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