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[やみつきニュース]私たちも分裂している

2017.10.28 松葉教室ブログ

こんにちは、講師の松岡です。前回からだいぶ日が空いてしまいましたが、今回は「分身もの」の小説、ドストエフスキーの『分身』の続きから書いていこうと思います。

自分の分身に苦しめられたゴリャートキン。彼は自分と真逆な分身が社会で活躍していることから気を病んでいきます。こういったゴリャートキンの姿は決して我々から遠いものではありません。
他人に認められたい、本当の自分はこんなもんじゃない、そういった思いは誰にでもあるのではないでしょうか。ゴリャートキンはまさに「理想の自分」と「現実の自分」の乖離が進んでしまった苦しみとも言えるでしょう。ゴリャートキンの苦しみだけでなく、こういった自己の分裂も、現代にも通じることなのではないでしょうか。
SNSという架空の社会の中で理想の自分を演出する、ネットの中のアバター(分身)の育成に心血をそそぐ。バーチャルリアリティの世界に熱中する。そういった背景には「本当の私はこんなものではないんだ!」「もっと自分を見てほしい」ともがく中で、理想と現実を乖離させる行為といえるかもしれません。
現実の嫌なものを見たくないと思うあまり、理想の方ばかりに目を向けてしまう。いわば自己否定からくる強烈な自己肯定願望であり、ゴリャートキンと同じ心理から来ているのではないでしょうか。
こういったことをよく「自我の肥大化」と表現します。自己のルールを絶対のものと捉えるあまり、社会とのバランスが取れなくなる人々の話は、世間のニュースでもよく耳にしますよね。『こころ』のKとも似ています。

ドストエフスキーのこの小説は今から171年前の1846年、日本でいうと江戸時代の末期に発表されました。閉じこもった自我が私たちに何をもたらすか、という悲劇が書かれたこの小説ですが、今の我々にも通ずる部分があると思います。
よく「小説ってなんで読むんですか」と聞かれます。そういった際に私は三つの理由を答えます。一つは自分の人生では体験できないことが体験できる、そしてもう一つは人間の変わらない部分が分かるから読む。そうして様々な読書体験をして人間を知っていく中で、次第に自分自身について知っていくこともできます。これが三つ目ですね。様々な人生を追体験することで自分を深め、人間を知り、自分を知る。

物語の筋を楽しむのも小説の一つの楽しみですが、そこから更に色々なことに結びつけて考えるのもまた小説の楽しみです。皆さんもぜひいろいろなことを考えながら小説を読んでみてくださいね。

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